東日本大震災の被災地では、全国の歯科医師らが被災者の方々の口腔ケアや歯科治療をおこなっています。さまざまな生活用品を失ってしまうと、十分なオーラルケアをおこなうのが困難です。このような状況のなかではお口の健康、全身疾患のリスクが高くなります。
1995年の阪神大震災では誤嚥性肺炎により多くの方が亡くなりました。
最近よく耳にする誤嚥性肺炎とはどんな病気なのでしょうか。
飲食物や唾液が食道ではなく肺へとつながる気管に入ってしまうと、むせて咳をして誤って入ってしまった物を気管の外へ出そうとします。しかし、誤って気管にたまってしまった場合普段はお口の中にいて大人しくしている菌が肺まで達し、増殖して肺炎を起こすことがあります。
これが、誤嚥性肺炎です。高齢者や体が不自由な方喫煙者などに起きやすいのが特長です。
歯ブラシや水が不足する被災地でのお口のケアは、歯ブラシが無ければ指にきれいな布を巻いて歯を拭くだけでも効果はあります。歯ブラシはあるが水が少ない場合は、容器に少量の水を入れて歯ブラシをつけて磨き最後に残った水でうがいをしましょう。歯ブラシが無くても水があればうがいだけでもしましょう。
また、入れ歯を使っている場合は定期的に外して特に内側(歯肉と接触する側)をよく拭いたり洗ったりしましょう。入れ歯には菌がつきやすいので、汚れたままだと誤嚥性肺炎が起きやすくなります。