透析患者さんは、一般的に細菌に対する免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすい状況にあります。感染症とは、ウイルスや細菌などが体内に侵入することにより引き起こされる病気のことで、発熱、せき、たん、下痢などの様々な症状が出たり、重症化すると死に至る場合もあります。
感染リスクはお口の中の免疫機能を支える唾液の分泌量が減ると、お口の中の細菌が増え、口内炎ができたり、虫歯や歯周病などにかかりやすくなります。とくに透析を導入する時期は、気分や体調が不安定になりやすいため、歯みがきができなかったり、歯科を受診しなかったりすることがあり、お口の中が不潔になりがちです。感染症を予防し、少しでも気持ちよく生活していただくためには、正しいお口のケアを続けることが大変重要です。
*腎不全透析療法患者の口腔合併症*
口腔粘膜の貧血………71% 血腫や出血斑………13% 味覚異常………67%
舌乳頭の萎縮………13% 口腔乾燥………49% 顎関節の異常………8%
歯の異常………30% 耳下腺や顎下腺などの大唾液腺腫腸………8%
口唇の乾燥………25%