医療法人 福歯会

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2013-02-18 18:01

透析患者さんと口腔乾燥


透析患者さんは、唾液を分泌している唾液腺の委縮、また降圧剤や鎮痛剤やなどの薬の副作用によって唾液の分泌量が低下し、口腔乾燥になりやすいです。主な症状は、お口が乾く、舌が痛い、お口がネバネバする、食べにくい、しゃべりにくい、口臭が気になるなどがあります。
●口腔乾燥になるとどうなるの?
唾液は食べ物を飲み込みやすくするだけではなく、お口の中の汚れを洗い流し、お口の常在菌(体を守るために常に存在する微生物)のバランスを整える、味覚をつかさどる、虫歯や歯周病を防ぐなど多くの重要な働きをしています。そのため、口腔乾燥は下記のような様々なトラブルの原因となります。
①虫歯や歯周病になりやすい
唾液の分泌量が減ると、虫歯や歯周病の原因となる細菌が増えます。歯周病が悪化すると、ヘパリンの影響で透析後に歯ぐきから自然出血することがあります。
②味覚がおかしくなる(味覚障害)
食べ物の味物質は唾液に溶解され、味蕾(味を感じる器官)に到達し味を感じます。そのため、唾液が少ないと食べ物の味がわからなくなったり、味の感じ方がおかしくなったりすることがあります。
一般的に、透析治療を受ける前は味覚機能が低下し濃い味を好みやすいので、塩分のとりすぎに注意しましょう。水分制限がある方は、保湿剤を利用することで味覚障害が緩和されます。
③口内炎(口腔粘膜疾患)になりやすくなる
唾液が少ないとお口の中の細菌が増える為、舌、ほおの内側、歯ぐき、くちびるなどに炎症が起こりやすくなります。