<歯周病の原因は口の中の細菌>
口の中には多くの細菌が生息している。この細菌は食べ物のカスなどをエサにして増殖し、プラーク(歯垢)と呼ばれるかたまりをつくり出す。プラーク1mgの中には、数十億の細菌がいると言われている。そのプラークに棲息する細菌のうち30~40種類が歯周病を引き起こす歯周病菌です。プラークを放置しておくと、歯周病の初期病状である歯肉炎を引き起こし、やがて歯周炎となる。こうして歯周病が重症化すると、歯を支えている歯槽骨が溶け出し、結果として歯が抜けてしまいます。しかも、歯周病は虫歯と違って、初期段階では痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気付いた時には相当な重症になっているということも珍しくないです。
<免疫のバランスが崩れる>
歯周病は、歯周病菌によって歯周組織が侵される病気です。たくさんの歯周病菌が口内に棲みついている人でも、重症化しない場合もあります。これは歯周病が歯周病菌による感染だけでなく、さまざまな要因が重なって引き起こされ、進行するからだと言われています。その要因の一つに免疫機能がある。免疫機能とは細菌やウィルスなどの異物が体内に入ってきたときに、好中球など白血球がこれらと戦って体を守ろうとする働きです。歯肉炎の初期の段階なら、これで抑えることができます。
しかし歯周炎へと進行し、歯周病菌が強力な場合、白血球はサイトカインという物質を出して炎症を抑え込もうとするがこのサイトカインは、自分の細胞まで傷つけてしまいます。身体を侵そうとする最近の力とそれを阻もうとする免疫力のバランスが崩れた時、戦場でもある歯周組織は破壊され、歯周病が進行してしまいます。