③誤嚥性肺炎・心内膜炎
誤嚥性肺炎は、歯周病菌などの細菌が唾液や胃液とともに肺に流れ込んで生じる肺炎で、高齢者に多く発症し、再発を繰り返す特徴がある。高齢者は咳嗽反射という、異物を吐き出す力や嚥下機能が弱くなっているので、誤嚥の危険性が高くなり、多くの高齢者が死亡する原因にもなっています。歯周病菌などの細菌が誤って器官に入り、肺が細菌に感染すると肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こし、血管内に侵入した細菌が心臓に運ばれると、心臓の内側を覆っている膜(心内膜)が細菌に感染して心内膜炎となります。さらに心内膜炎が進行すると、心不全となる。
④早産・低体重児出産
歯周病が妊婦に与える影響を調査したさまざまな報告によると、歯周病にかかっている妊婦の早産になる割合が、健康な妊婦に比べて5~7倍も高いことがわかりました。歯周病菌による妊婦や胎児への悪影響は、タバコやアルコールより大きいのです。歯周病菌は炎症の過程でプロスタグラジンという物質をつくり出します。これは陣痛促進剤にも使われ、子宮収縮作用が非常に強いです。したがって歯周病にかかっていると、早産の危険性を高めてしまいます。さらに頻繁な子宮収縮作用のため、胎児が十分な酸素や栄養を摂取できず、発育が妨げられることがあります。