かみ合わせ歪みは、一見して上下の歯がかみ合わないなど、目に見えるような大きな異常というのはあまりないです。わずか数ミクロンのずれが、歯の接触の変化を発端として、病状として現れます。また、筋力不足や精神的なストレス、無意識に行っている悪い姿勢などとの複合的な要因で、口腔内の不快感が現れるケースもあるが、人はそうした長期にわたる違和感に慣れてしまうと、異常と感じなくなることもあります。このように、かみ合わせの不調や異常は、原因も病状も複雑に絡み合っており、その治療も歯科医師とよく相談しながら、慎重に進める必要があります。国際歯科連盟は1990年に歯科治療について「極力、歯を削らない治療をしなければならない」との宣言を出したが、かみ合わせの治療においても、複合的な要因を一つ一つつぶしていくなかで不定愁訴などの
病状が改善する可能性があるため、歯を削るなどの後戻りできない治療は安易に行わないほうがいいでしょう。ストレス解消などで、気が付いたら治っていたという例もあるが、長期にわたって苦しめられている場合などは、一度かみ合わせと不定愁訴に詳しい歯科医院を訪ねるのも有効な解決法になるかもしれません。