医療法人 福歯会

ブログ

2016-05-07 16:37

将来のための歯周病予防


美しい歯は、健康な歯ぐきから
「美しい髪は健康な頭皮から」といわれるように、美しい歯を保つには、土台である歯ぐきの健康が第一です。健やかな歯ぐきを脅かす、最大の敵は歯周病。歯周病の専門医である先生に歯周病の成り立ちや全身との関わり、予防法を伺いました。

歯周炎の段階なら、健康な歯ぐきの回復は難しくありません
 歯周病とは、口の中の細菌が起こす炎症によって、歯ぐきと歯を支える骨を破壊されていく病気。その過程には、歯ぐきだけが腫れる初期段階の「歯肉炎」と、内部まで炎症が進み、最終的には歯を支える骨まで溶かす「歯周炎」の、2つのステップがあります。
 「歯肉炎」とは歯ぐきに赤味や腫れが見られ、歯みがきで軽く出血があるような症状です。
 この段階で、一度歯科を受診して、歯石除去など数回の治療のほか、ブラッシングやフロスの使い方を指導してもらうと安心とのこと。
 元々、口の中には700種類もの細菌がいて、歯の周りについた食べカスを栄養源にして増えていきます。正しいセルフケアを早く身に付ければ、悪い細菌を寄せ付けにくくできます。
 しかしながら「ブラッシングを怠ると、住みついた細菌が塊をつくり、歯にピッタリ貼り付きます。これが歯垢(プラーク)で、石灰化すると硬い歯石になり、歯みがきでは落とせません」。
 この歯垢や歯石に潜んでいる細菌によって炎症が起きた歯ぐきは、歯の表面からはがれ、歯周ポケットを作ります。深さが4~5mmになって歯を支える骨が溶けた状態が「歯周炎」。ポケットが深くなるほど雑多な細菌が増え、長い時間をかけて、酸素が嫌いな歯周病菌が増えやすい環境をつくります。
 怖いのは、歯周病の発症に関わる細菌は単独犯ではなく、細菌同士がグループをつくって力を増すこと。それまで何もしなかった正常な細菌集団も、そこに1つの悪玉菌が参入することで、突然身体に攻撃をしかける不良集団に変貌することもあるのだとか。
 「炎症の進行度や体調によって、身体にダメージを与える細菌やグループ編成、性質が流動的に変化するのが、歯周病の手強い点。危険な細菌が増えないよう、歯周ポケットを深くしないこと、即ち、毎日丁寧にブラッシングを行うことが一番の予防になります。