顎関節症の原因はかみ合わせの異常にあるといわれ、歯の高さを合わせるために歯を削る治療をしていたが、顎関節症の患者はここ十数年で約15倍と急激に増加しているといわれることから、現在では顎の関節の構造的な問題や周辺の筋肉の障害だけでなく、最近の食習慣、左右どちらか一方ばかりでかむ偏咀嚼、うつ伏せ寝やほおづえ、食いしばりや歯ぎしりなど、顎や筋肉に負担をかける癖や生活習慣、ストレスといったいくつもの原因が複雑に絡み合って起こる「多因子疾患」と考えられている。子どもから高齢者まで幅広くみられる病気だが、男性より女性に多い傾向がある。女性は男性に比べて骨格や靭帯が弱く、筋肉の緊張やストレスに対して感受性が高いためだとか、また女性ホルモンに関係があるなどの説があるが、はっきりとした理由はまだ解明されていない。