医療法人 福歯会

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2015-11-11 13:05

歯なしにならないいい話


●唾液の第一の効能はむし歯を防ぐこと!!

 かつて歯の治療を受ける子どもの口はすぐに唾液でいっぱいになりましたが、最近は口の中に唾液が溜まらない子どもが増えているそうです。研究者グループによると、柔らかい食べ物が増えたことで幼少期に必要な「噛む訓練」が出来ていないことが原因では?と指摘します。
 唾液が最も出るのは食事中で、普段の約10倍に。噛まない食事でピーク量が減ると、食事以外の場面で唾液が出にくいのも当然です。唾液が少ないと歯の治療はしやすいけれど、これは決して喜べることではありません。
 唾液には多くの働きがありますが、覚えておきたいのが歯を強くすること。食事をすると歯の表面についた歯垢が酸をつくり、酸に弱いエナメル質はわずかですが溶け出します。これがむし歯の始まりで「脱灰(だっかい)」といいます。
 「脱灰」のまま、むし歯が進行してしまうのを防いでいるのが唾液の力。食事で酸性になった歯を中性に戻し、溶けたエナメル質を再び表面に定着させます。最近、よく耳にする「再石灰化(さいせっかいか)」がこの作用で、絶えず繰り返される「脱灰」と「再石灰化」をバランスよく保つことが健康な歯の基本。唾液の少ない口は「脱灰」の時間が長くなるので、酸への抵抗力が弱くなり、むし歯になりやすい状態になってしまうのです。