歯垢はミュータンス菌の《すみか》…?
むし歯の主な原因は『ミュータンス菌』という細菌です。目に見えない細菌は歯垢(しこう)の中に存在し、その数は1㎎の歯垢(つまようじの先にくっついたくらい)の中にはなんと1億個(匹)!!!!もいるのです。
ミュータンス菌は、お口に入ってきた砂糖を栄養源として、ネバネバした物質をつくり菌の表面にピタッとくっつくます。それが溜まって厚い膜状『バイオフィルム』をつくります。例えば、家庭のお風呂のパイプや下水道の内側に見られるヌルヌルも身近なバイオフィルム。バイ菌が増えやすい”すみか”のようなもの。私たちのお口の中の歯垢もバイオフィルムなのです。ミュータンス菌の“すみか“なのですね。
バイオフィルムを放っておくと…
バイオフィルムの特徴は、表面にくっつく力が強くて簡単にはがれず、しかも細菌を殺す薬をブロックするほど強いバリアーを持っていることです。ミュータンス菌は、この膜に守られて増え続けどんどん酸をつくります。膜の内側は強い酸性となり脱灰(だっかい:歯のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出す反応)が進みます。こうしてむし歯は本格化します。
このバイオフィルムを取り除いてミュータンス菌を退治するには、歯みがきをしっかりと行うことや、歯医者さんで行う専門的な歯のクリーニングなどの方法しかありません。
仕上げ歯みがきで予防!
むし歯の細菌を減らし、むし歯にならないために、毎日のきちんとした歯みがきが大切。でも小さなお子さんにとって、歯ブラシを上手に使うのはとても難しいことです。そこでお子さんが歯みがきすたら最後はお父さん、お母さんが「仕上げ歯みがき」を行ってください。これがすべてだと言っても過言ではではありません。歯みがきを通じて親子のスキンシップにもなりますよ。
ミュータンス菌はどこからくるの…?
生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、ミュータンス菌は存在しません。ミュータンス菌は、赤ちゃんを世話する大人(家族)の唾液からうつるのです。感染を防ぐことは難しいですが、食事の際には箸やスプーンの共用を避け、日頃接する家族の方のお口を清潔に保つことで、感染のリスクを減らすことができます。お子さんのためにも、お父さんお母さんも、しっかり歯みがきをしてください。