転院の相談者517人の子どものうち、56%が不適切な矯正歯科治療に該当。
矯正歯科専門開業医の全国組織である日本臨床矯正歯科医会の調査によると、昨年1年間で不適切な矯正歯科治療を受けていた子どもがかなりの数にのぼるのことが分かった。この調査は、同会の会員となる診療所を対象に、2014年の1年間に転院の相談があった18歳までの子ども517人における不適切な矯正歯科治療についての実態を調べたものだ。
転院や再治療で来院する小児患者の約56%が、全医院で不適切な治療を受けており、そのうち約77%が治療内容そのものに不満やトラブルを抱えていることが判明。同会によると、その背景として、転院前の診療所がセファロ分析などの精密検査や、それらに基づく診断、説明を行っていないことがあげられるとしている。さらに、矯正歯科を専門としていない歯科医や非常勤歯科医が治療を担当するなど、診断体制が整っていないことも原因としている。
治療する側の技術、モラルが問われているのはもちろん、業界として一般の歯科医院と矯正専門の歯科医院との違いを広めていくことも大切と言えよう。