しっかり味わうために味付けは薄味に。
食事はゆっくりと!!
大勢で食卓を囲むことはおいしく食べる条件でもありますが、自分の味覚の変化を知るためにも有効です。もし「しょうゆをかける量が、以前より多くない?」と誰かに指摘されたら、あなたの味覚センサーは少し鈍っているかもしれません。
先生が心配するのは、味覚の感度が落ちると薄味では満足できなくなること。「味を感知しにくいため、より塩辛く、より甘く、濃い味を求める傾向がエスカレートします。すると、ますます味の感度が鈍くなり薄味に戻れなくなるんですね」。
通常は食べ物を口に入れて咀嚼するたびに、舌の唾液腺からサラサラの唾液が出て舌をキレイに洗い流します。だから、私たちは食べ物を次々に口に入れてもそれぞれの味を楽しめるのです。しかし、濃い味が続くと舌の表面を洗い流しきれず次に入ってきた味を感じる幅も狭めてしまうことに。
また、緊張して喉がカラカラになった経験が誰でもあると思いますが、日常的なストレスでも口の中はネバネバしがちで、汚れやすい環境になるそう。これは緊張時に優位になる交感神経の働きで、舌をキレイに保つサラサラ唾液を出すには副交感神経を働かせる必要があります。
「スマホを見ながらの早食いはリラックスできず唾液が出にくい状態に。おやつをダラダラ食べるのも、舌が汚れた状態が続くのでNGですね」。
そのほか、細胞そのものが味を感知しにくくなる原因が亜鉛不足です。比較的多くの食品からとれるので、通常の食生活なら必要量の8割程度は摂れるそう。ただし、服用しているお薬や食品添加物によって亜鉛が失われることも多く、食品添加物が多く含まれるインスタントヤ加工食品の多用は避けましょう。
さらに、高齢になると身体機能と共に味覚感度も下がることが多いとか。一般的に、高齢者は薄味を好むイメージがありますが実際はそうともいえません。生活習慣の原因になる塩分やカロリーを摂りすぎないよう注意したいものです。