歯ぎしりについて
●「吸う」から「噛む」へ
赤ちゃんは「吸う」から「噛む」ようになります。安定した噛む場所を探している時期です。
成長して顎が大きくなるにつれ、乳歯のすき間ができて、噛み合せのバランスを調整するための行動ですから、この時期の歯ぎしりは心配ありません。
●歯ぎしりは顎を成長させる行動
乳歯と永久歯の交換期にも噛み合わせが不安定になり歯ぎしりすることもありますが、多くは成長とともになくなります。
また、いろいろな食べ物をかみ砕くためにはしっかりとしたかむ力が必要になります。やわらかい食べ物から噛み応えのある食べ物へ食生活を見直してみましょう。
歯ぎしりは顎や筋肉を成長させる行動の一つですから見守ってあげましょう。音がすごく大きい場合や程度がひどい場合は、何らかのストレスやその他に原因があるかもしれませんので、歯科医院への相談をおすすめします。
●大人の歯ぎしりの場合は?
大人も歯ぎしりがひどいと、歯がかけたり、知覚過敏になったり、歯がグラグラしたり、顎の関節やその周りの筋肉が痛くなったりと症状がさまざまあります。
寝ている時だけでなく、起きている時も無意識に行っている場合がほとんどです。痛みがあったり、症状がある場合は、かかりつけの歯科医院に診てもらいましょう。
2015-10-24 15:11:18
人生を豊かにする「噛み合せ」の話
あごや歯に悪い習慣は日々の生活の中にこんなにたくさん!?
当初は、歯並びやあごの骨格を調整する治療が中心だった丸茂先生ですが、さまざまな症状の患者さんと接するうち、「口に対処するだけでは、根本的な治療にならない」と思い至ったそうです。
顎関節症を引きおこす原因は、筋肉のバランスの悪さ、骨格のずれ、ストレスなど、どれも生活習慣と切り離して、改善するのは難しい問題。そこで、先生が取り組んだのが、膨大な問診によって、顎関節症につながる生活の中の要因を発見し、ひとつひとつ改善していく生活習慣指導です。
例えば今、先生が気になるのは、スマホを多く使う若者の多さ。うつむき姿勢のまま、1日の大半を過ごせば、やがて首や背骨に影響が出るのは確実だそうです。本来必要な首のカーブ以上に歪みがある人、首のカーブが失われたストレートネックの人、背骨が通常とは逆向きのS字に湾曲している人も多いとか。「こうなると、あごが圧迫されて口も動きにくいはず。10代前半からこの生活を続けたら、あごの骨格も発達せず、普通の咀嚼ができるか心配」とのこと。
このように、私たちの毎日の生活には、このままでは筋肉や骨に影響しかねない行動や習慣が、思いのほかたくさんあります。
例を挙げると、ハイヒールを履く、足を組む、横座りをする、寝転んでテレビを見る、…など、誰しも覚えのあることがずらり。どれも首や背中、腰などに負担を与え、長年積み重ねると危険信号。全身の筋肉を低下させる運動不足、不調を招く睡眠の乱れ、今の姿勢の傾向を作った過去の運動、経験も、要チェック項目です。
生活習慣の他、あごの不調に関わりやすいのが過去にかかった治療。整形外科での牽引や整体治療など、その時の体調によって、あごの歪みや痛みが、後に残ることも。スポーツジムのトレーニングなども、ムキになって頑張りすぎないように注意しましょう。
2015-10-15 16:58:22
1日の糖分摂取量
WHOが新ガイドラインを発表。
1日の糖分摂取量はスプーン6杯まで。
WHO(世界保健機関)が砂糖などの糖類の1日当たり摂取量を総エネルギー摂取量の5%未満に抑えるのが望ましいとの新たな指針を正式に発表したことが話題となっています。
WHOでは、肥満や生活習慣を予防するため、脂肪、炭水化物、糖類などの1日の摂取量を示すガイドラインを制定しています。これまで、単糖(ブドウ糖やフルクトース)や二糖(ショ糖や砂糖)に該当する遊離糖類の摂取目標を、1日に摂取する全カロリーのうち10%未満としていました。今回発表された新しいガイドラインでは、1日の糖分摂取量を10%未満に抑えることを「強く勧告する」としたうえで、さらに可能であれば5%未満に抑えることで「より健康に良い効果が得られる」としています。
5%というと、一般的な成人のカロリーで計算すると1日当たり約25グラム、小さじ6杯分の砂糖に相当する。ソーダなどの砂糖入り飲料には、一缶あたり約40グラムの砂糖が含まれており、1本のジュースを飲むだけで25グラムを超えてしまう事に。また、ジュースだけでなく、市場に出回っている様々な食品にも多くの砂糖が含まれており、気を付けていなければ、5%をすぐにオーバーしてしまいます。
WHOの調査によると、1日10%以上の糖類を摂取することで、肥満やむし歯になる確率が飛躍的に上がるという。現実問題として、1日の糖分摂取量を全カロリーの5%以内に抑えることは難しいとしても、むし歯予防のために、糖分の過剰摂取に注意していかなければなりません。
2015-10-05 14:58:36
歯周病菌と口臭
キリンの「飲料技術研究所」(横浜市)は、紅茶が歯周病菌と口臭を抑制する効果があることを実証したと、日本口臭学会などで発表した。
同研究所は北海道医療大の鎌口有秀准教授と共同で、紅茶に含まれるポリフェノールが、歯周病菌の活動や口臭成分の濃度に与える影響を調べた。
飲用の1/10の濃度に薄めた紅茶を加えた培地で、歯周病菌を6日間培養し、菌の濃度の変化を測定した。すると、抗菌作用を持つポリフェノールとして知られる緑茶カテキンと同程度に、歯周病菌の増殖抑えられたという。
歯周病菌が作り出す、歯ぐきを溶かすたんぱく質分解酵素への影響も調べた。歯周病菌液に飲用の1/100の濃度の紅茶を加えたところ、最大で8割強、酵素の活動が抑制されたとしている。
2015-09-26 16:44:29
噛み合せの話
食文化が歯をつくる。日本人にとって良い噛み合せとは?
「口を開けると顎が痛む」「音がする」「口が開きにくい」といった顎関節症。その病名も、原因のひとつである噛み合せの乱れが、全身の健康に影響することも、一般に知られるようになりました。
ただ、あまり理解されていないのは、「歯並びと噛み合わせは、別のもの」ということ。そもそも、噛み合わせが良いとは、どういう歯の状態を指すのでしょうか?
日本人にとって一番大切な歯の役割は、食べ物をよく噛み、すり潰して咀嚼すること。繊維質の多い米を主食にしてきた私たちは、よく噛むことで唾液中の消化酵素アミラーゼを分泌し、デンプンを糖に分解して消化します。そのため、奥歯もよく使われ、全体的にすり減っているのが特徴です。
これに対して、歯並びが整い、いかにも健康そうな欧米人の歯は、意外にも奥歯での咀嚼には向いていません。歴史を通じて、繊維質の食品を多く食べていない彼らは、日本人よりもアミラーゼを分泌する人の割合が少なく、食べ物をよく噛んで消化しやすくする習慣が少ないのだそう。欧米で歯といえば、コミュニケーションのツール。まずは笑顔で人間関係をつくる文化が重んじられ、歯並びを大切にする意識が広がりました。
「食文化によって、食べ物を消化する方法は違い、咀嚼の考え方、歯の作られ方や役割も違います。これは脈々と受け継がれてきた民族的な違い。小さな頃から洋食中心の人でも、身体のしくみは変えられないんですよ」と丸茂先生。
つまり、私たちに必要なのは、日本の食文化に合った歯の役割を、しっかり果たせる噛み合わせです。国の歴史や文化によって、同じ歯でも重視するポイントが、異なることを覚えておきましょう。
2015-09-14 13:03:15