歯のけが~永久歯の外傷~
成長期の活発な子どもにとって、歯をケガする危険性は非常に高くなっています。予期せぬ事故が起こった時、的確に応急処置をすることで歯のダメージを最小限にとどめます。
1.歯が折れた
折れた破片は水に浸して(牛乳に浸さないでください)歯科医院に持っていきましょう。歯の神経(歯髄)を守るために、1日以内に受診するのが最良です。
2.歯がぐらつく
歯の位置がずれたり、揺れが大きい場合は飲み込まないよう気をつけて、少なくとも3日以内に受診しましょう。
3.歯ぐきが剥がれている・唇が切れた・舌をかんだ
傷口を清潔なガーゼで押さえて、できるだけ血を止めて歯科医院に受診して下さい。
4.歯が抜けた
何はともあれ、抜けた歯を持って歯科医院を受診してください。1時間以内の受診が最良です。牛乳があれば抜けた歯を浸して来てください。1時間以内に受診できそうならラップ等に包んでも構いません。ただし抜けた歯を水道水で洗っては行けません。
けがの影響は後で出る可能性があります。歯の色が変わる、痛みが出る、歯ぐきが腫れる、膿が出る、生えたての歯の形が変、などの症状です。定期健診を最低1年は続けることが大切です。
~乳歯のけが~
不意に転んだり、人や物と激突して顔、口の中を受傷します。乳歯がけがをするとその後から生えてくる永久歯に影響があります。永久歯の歯の表面が変色する、形が変更する、正常に生えてこなくなる、などが起こる可能性があります。
乳歯のけがをしたら、一刻も早く歯科医院に受診し処置をうけましょう。そして永久歯が生えそろうまで、定期的な健診を受けましょう。
2013-09-14 11:49:34
むし歯菌の正体・・・?
歯垢はミュータンス菌の《すみか》…?
むし歯の主な原因は『ミュータンス菌』という細菌です。目に見えない細菌は歯垢(しこう)の中に存在し、その数は1㎎の歯垢(つまようじの先にくっついたくらい)の中にはなんと1億個(匹)!!!!もいるのです。
ミュータンス菌は、お口に入ってきた砂糖を栄養源として、ネバネバした物質をつくり菌の表面にピタッとくっつくます。それが溜まって厚い膜状『バイオフィルム』をつくります。例えば、家庭のお風呂のパイプや下水道の内側に見られるヌルヌルも身近なバイオフィルム。バイ菌が増えやすい”すみか”のようなもの。私たちのお口の中の歯垢もバイオフィルムなのです。ミュータンス菌の“すみか“なのですね。
バイオフィルムを放っておくと…
バイオフィルムの特徴は、表面にくっつく力が強くて簡単にはがれず、しかも細菌を殺す薬をブロックするほど強いバリアーを持っていることです。ミュータンス菌は、この膜に守られて増え続けどんどん酸をつくります。膜の内側は強い酸性となり脱灰(だっかい:歯のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出す反応)が進みます。こうしてむし歯は本格化します。
このバイオフィルムを取り除いてミュータンス菌を退治するには、歯みがきをしっかりと行うことや、歯医者さんで行う専門的な歯のクリーニングなどの方法しかありません。
仕上げ歯みがきで予防!
むし歯の細菌を減らし、むし歯にならないために、毎日のきちんとした歯みがきが大切。でも小さなお子さんにとって、歯ブラシを上手に使うのはとても難しいことです。そこでお子さんが歯みがきすたら最後はお父さん、お母さんが「仕上げ歯みがき」を行ってください。これがすべてだと言っても過言ではではありません。歯みがきを通じて親子のスキンシップにもなりますよ。
ミュータンス菌はどこからくるの…?
生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、ミュータンス菌は存在しません。ミュータンス菌は、赤ちゃんを世話する大人(家族)の唾液からうつるのです。感染を防ぐことは難しいですが、食事の際には箸やスプーンの共用を避け、日頃接する家族の方のお口を清潔に保つことで、感染のリスクを減らすことができます。お子さんのためにも、お父さんお母さんも、しっかり歯みがきをしてください。
2013-08-26 10:10:54
歯医者さんから見た、乳児期のおやつ
〈間食は楽しくきちんと取りましょう〉
間食は子どもにとって楽しみや気分転換のほか、簡単な手伝いを任せる・食事の前に手を洗うなど間食を通して「しつけ」の良い機会になります。
子どもが夕食や朝食をしっかり食べるぬは、間食の量と与えるタイミングが大切です。
〈間食は1日1回を目安に!!〉
与える量は幼児期で140~240カロリー(バタークッキー2.3枚程度)が目安です。「3時のおやつ」というように、1日1回20~30分くらいで済ませましょう。ダラダラ食いや遊び食いをやめさせ、規則正しい食生活リズムを作るようにしましょう。
〈間食の中身は…?〉
味や栄養に偏りがなく、季節の行事や旬を感じさせる食べ物と、市販のお菓子などをすこしずつぃ見合わせると良いです。
また、果物、乳製品、いも類にお菓子を組み合わせてバリエーションを増やすと良いでしょう。
例)チーズ・さつまいも・りんご・みかん
〈飲み物は水かお茶で!!〉
ジュースや炭酸飲料、スポーツ飲料は糖分が高く酸性が強いのでむし歯になりやすいです。飲み物は水またはお茶がベストです。
〈就寝前は必ず歯みがき〉
夕食の時間が早く寝る前にお腹が空いてしまう場合、間食は就寝2時間前までは済ませましょう。特に夜間就寝時はむし歯菌が一番繫殖するので間食したらその後、必ず「歯みがき」や大人が行う「仕上げみがき」を行ってください。
2013-08-24 11:08:54
歯に安心な食品 ~キシリトール~
〈キシリトールとは…?〉
むし歯の原因となる酸を作らない糖質甘味料の1種で、多くの果物や野菜に含まれています。甘さは砂糖と同じくらい、カロリーは砂糖の約75%です。
例) ☆カリフラワー☆ ☆いちご☆
☆バナナ☆ ☆たまねぎ☆ ☆にんじん☆
〈キシリトールの効果〉
キシリトールにはむし歯予防に役立つ2つの効果があります。1つめは歯の再石灰化をねらう効果です。キシリトールは唾液中に含まれるカルシウムを安定化させて、無機成分を失った歯の表面(エナメル質)に取り込みやすくします。
2つめはプラークの中のむし歯菌の生成を抑える作用です。ミュータンス菌は、食品中の糖をエネルギー源として取り込み酸を作用します。この酸がむし歯の原因になるのです。しかしミュータンス菌はキシリトールを取り込むことができないため弱ってしまい、酸も生成できなくなります。
*再石灰化とは…?
酸によって溶け出したリン酸カルシウム分を、また歯に沈着させること。
〈ガムをかんでも歯みがきは必要!〉
キシリトール入りガムをかんでも歯みがきは必要です。歯の表面に付いている粘着性のあるネバネバしたプラークは、キシリトールによって落ちやすいサラサラのプラークになっています。そのため歯みがきで簡単に取り除くことができるので、ブラッシング効果も上がります。
~歯に安心な商品の選び方~
今のところ特定保険食品のマークがついた「むし歯の原因になりにくい、歯を丈夫で健康にする」食品や、トゥースフレンドリー協会の認定食品で、外装についているマークを頼りに選ぶのが最善です!!
2013-08-21 11:20:19
「かむ」ことで、お口も体も元気に!
子どもの夏バテを防ぐには…
*きちんとお腹が空き、かむ意欲を持たせよう
暑い夏の季節は、冷たくて甘い食べ物や飲み物が欲しくなるもの。でもあまり多く摂ると食事がしっかり取れずに夏バテを起こします。きちんとお腹が空いた状態をつくらせ、かんでおいしい食事を取りましよう。
健康な歯や歯並びをつくるには…
*顎の成長が最も必要
うまく「かむ」ことのできない子どもが増えています。原因は軟らかい食事が増えたこと。よく「かむ」ことにより、丈夫な顎(あご)に育ちます。顎の発達が悪いと歯並びに影響し、よくかめなくなるばかりか、歯並びが悪くなると、むし歯や歯周病になりやすくなります。
よく「かむ」と脳の働きがよくなる!
よく「かむ」ことは、脳の血流量を増やし脳細胞の働きを活発化します。特に記憶や知能を総合する大脳皮質の発達に大きな影響を与えます。
毎日の食事から、よく「かむ」と脳の働きがよくなる!
献立のポイント
~よくかんで食べるために~
①硬い食品よりもかむ回数が多い食材(根菜類などおすすめ)を使いましょう。
②できるだけ多種類の食材を使い、かむことで味を覚えさせましょう。
③味付けは薄味で。
④和食(ごはん)を中心にしましょう。
食べ方のポイント
~親子で一緒にチャレンジ~
①ひと口30回かんでみよう。
②かんでいる間は、飲み物を飲まない。
③飲み込むまでは次のものを口に入れないで。
2013-08-20 15:39:14